ポメラニアンアウトプッツ

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雪がすごいらしいので道民だった私が関東のスノービギナーに奴らとの闘い方(転ばない歩き方)を教える

平成30年1月22日(月)、どうやら今日は関東で雪がとんでもなく降るとのことだ。そうは言っても、どうせ降らないんでしょみたいなことを考えている人も多いであろう。確かに、いつだったか雪降る振る詐欺に遭ってしまい、時間を無駄にした記憶もある。だが、本当に降ってしまった時は大変だ。そこでタイトルにもあるとおり、雪国出身である私が雪慣れしていないスノービギナー諸君に雪の日の傾向と対策を伝えよう。

一応、雪道を歩くポイントをさらっと解説

この記事にアクセスされた方の目的はおそらくこの内容を期待してのことだろう。一応だが、解説をしておく。ただし、その後の文章についてもできれば読んでおくことがおすすめだ。なぜなら、たかだかこんなテキストを読んだだけでは雪道の歩き方はマスターできない。そのため、あくまで参考程度にしておくべし。

歩幅を小さくしろ

足を上げると転倒リスクが高まる。歩幅は小さくするのが基本中の基本である。

靴底を活用しろ

道路と靴底の接触面積を増やし、摩擦係数を高めろ。気休め程度ではあるが、転びにくくなる。

一定の速度で歩け

急ぎ足になるのはもっとも危険だ。延命と遅刻、どちらが尊いかは、誰にだって分かるはずだ。

ちょっと前かがみになれ

倒れる時は前のめり。偉人たちもそう言っている。後ろに重心があると、とてもこわい。

転ばないからと言って油断できないのが雪だ

雪の日のスノービギナーは恐怖している。足下が滑って転ぶと猛烈に痛いからだ。しかし、実は転ばなくったって痛みを感じる場面というのは往々にしてござる。

人は自己防衛本能からか、転びそうになるとそれを防ぐために踏ん張る傾向にある。その時というのは、日常生活で使ったことのない筋肉をアホほどに使うことになる。鍛えてもいない筋肉を瞬間的に使うわけだから、その負担というのは非常に大きい。結果として、一部分に激痛が走ることがある。しかもだ。ある程度年齢がいった人だと、その痛みが1日くらい継続する。こうなると、もう歩くこともままならない。不幸である。実際に、雪国出身である私ですらそういった体験を何度もしている。

転ばないための方法は第一に道選び

転ばない歩き方は一朝一夕で身につくものではない。しかも、こんなテキストだけの記事を読んだだけでは到底無理である。そのため、第一に考えるべきは道選びだ。ここでもっとも重要になるのは、人の後ろを歩けということ。自ら新雪の道を切り拓くことはない。とにかく、人が歩んできた道を見つけ、その足跡をたどりなさい。先人が開拓してくれた安全な道を歩くのです。さすればすってんころりん率は大幅に減るでしょう。

また、できるだけ壁際を歩くというのもポイントである。これは何も、雪の量が少ないからというわけではない。とっさの時に、手を添えられるからだ。さらに言えば、雪によってスリップする自転車などとの接触機会も限りなく減らせる。ちなみに、雪国北海道の場合は除雪作業後、道路と歩道の間に大きなスノーウォール(雪の壁)が出現する。万が一の際はこのウォールに倒れ込むというテクニックが頻繁に使われている。ただし、スノーウォールにはワンちゃんのマーキング跡(つまりおしっこ)が残されているケースが多いため、イチかバチかの捨て身動作であることは言うまでも無い。

転びたくないならうつむけ

次に、歩く際の基本姿勢だ。大切なのは、前を見ないこと。見つめるべきは自分自身の足下。一歩一歩踏みしめることが大切だ。未来ばかりを見て、今(現実)を直視しないと夢が叶わないのと一緒である。

雪で転んでしまうのは、自分の思っている“地面を踏んだ感覚”と実際のフィードバックが異なるのが要因だ。そのギャップを埋めるには、視認が効果的である。滑ってしまうのは仕方がない。しかし、滑ったときの状況を目で確認できていれば、その後の体の使い方に大きな差がでる。

こうした理由から、雪の日には自分の靴を見ながら歩くのが好ましい。シューゲイザーである。なお、北海道で歩く人々は冬になると基本的にうつむいて歩行している。これは経済の低迷を嘆いていたり、自分の将来を悲観しているわけではない。転ばぬ先の杖を体現しているのだ。

屋内であっても油断は禁物である

台風などを経験している関東人であれば常識かもしれないが、濡れた床は非常にすべりやすい。そのため、雨の日などでは注意して屋内を歩く方も多いであろう。賢明である。

しかし、雪の日はこの事故に結びつく確率がグンと高くなることを忘れないでいただきた。奴らの特徴は凝固体であることだ。通常、雨の日であれば施設の入り口に設置されているマットなどで水気が吸収される。そのため、水分が屋内に持ち込まれる量が減少すると言えるだろう。しかし、雪は靴の上に積もっていることも多い。また、フードなどにもつもりやすい。マットでは吸収できな状態で、屋内へと持ち込まれる可能性が高いのである。

その結果何が起こるか? 床全体の蹂躙だ。びちゃびちゃになってしまった床は、当然であるが滑る。しかも、自分の靴底に含まれた水分とがシナジーを起こして、よりスリップスキルが高まるのである。北海道に住まう豪者は、この水分を利用して室内靴スケートを楽しむ。ただし、大人だと怒られる。

本当に怖いのは翌日だ。奴(雪)らの罠にはまるな

さて、次に伝えておきたいのが、翌日の雪の脅威である。ほとんどの場合、関東ではありえない状況かもしれないが、知っておいて損はない。

雪は凍った時の戦闘力がヤバい

見だしママである。雪は積もった状態ではさほど怖いものではない。むしろ、カップルの時間をロマンチックに演出する天使ちゃんとも言える。しかし、雪の正体は氷である。氷は溶ける。溶けると水になる。これは常識だ。

問題は溶けた後で再度凍ってしまうことだ。細かく分かれている雪が水となり、それぞれがつながりあって氷になると、そこはもうスケートリンクである。とてもではないが、氷に対する訓練をしてきていない関東人には太刀打ちができない。

また、凍った路面に雪が再度積もると最悪だ。どこに氷があるのか分からないので、一歩一歩がすべて勘に頼った綱渡りである。子どもの頃から死線をくぐり抜けてきた雪国人であっても、この勝負に負けることがある。

勝負は翌日。気温を確認セヨ

では、どのような状態になると路面は凍ってしまうのだろうか? これは、単純に気温が0℃を下回ったかどうかで判定される。そのため、関東の場合はほとんど問題にならないのが実情だ。

しかし、油断は禁物なのは知ってのとおり。万が一、夜中に0℃を下回ったような実績があったとしたら、凍った路面が出現していることもないとは言い切れない。特に、朝早くから出社するビジネスマン諸君や、夜中から朝型までどんちゃん騒ぎをして、眠い目をこすりながら早朝に家路へと向かうようなクズ方々(バンドマンとかな)は、気を抜かれないよう注意されたし。

雪を溶かす愚者が、関東にはいる

さて、雪が溶け、水になり氷になることの危険性については十分にご理解いただけたであろう。しかし、それを分かっていない愚者が存在するのが、関東における雪問題の根深さだ。その愚行例のひとつに、「お湯で雪を溶かす」という行為がある。

賢明な読者諸君であればすでにお気づきであろう。この行為というのは、雪を強制的に溶かすものだ。つまり、それだけ氷の路面を作りだすリスクを高める行動なのである。せめて積もっているだけの状態であれば、雪の攻撃力はさほどではない。しかし、氷になってしまった途端、奴らは私たちに牙をむく。そのことを、絶対に忘れないでいただきたい。

札幌市による有益な解説

外国人に「なんでこんな場所に都市があるんだ」とも言われる札幌市。ここでは、雪による犠牲者を少しでも減らすべくロードヒーティング(地面を人工的に温め、雪を元の姿である「水」へと成仏させるための画期的な文明の利器)などの対策をしている。そんな札幌市にあるウインターライフ推進協議会 が、雪と戦うための画期的ガイドラインを発表しているのをご存じだろうか? 以下にリンクを貼っておく。はっきり言って、この記事を読んだ1000倍くらい役に立つだろう。もちろん、札幌市民向けに書いてあるので難易度は高い。だが、今年の冬こそスノーマスターになりたいあなたにとっては、これほどまでにない程の教科書となるはずだ。健闘を祈る。

ウインターライフ推進協議会 による「つるつる.jp」はこちら